タイトルにもあるように、僕は大前提として「人は経験したことしか語れないし書けない」と確信している。
じゃあ嘘を吐く人やフィクションを作る人は?と思ったかもしれない。実はそれらも過去の経験に基づいて考えているに過ぎないのではないかと考えている。
全ての事象は既にこの世に存在するものの組み合わせでできている。
例えばハリーポッターというフィクション小説があるけれど、要素として魔法使いや学校、ドラゴンなど、既にこの世に存在する事柄の組み合わせでストーリーが構成されている。
(ちなみに魔法やドラゴンは実在はしないが、伝承としては存在している。その伝承も古来より未知への恐怖や野生動物のビジュアルなどを組み合わせでできていると考えることができる)
おそらく作者のJ・K・ローリング氏はこういった小さい要素の一つ一つを隅々まで調べ上げ、全体的にうまくまとめることでストーリーとして昇華させていったに違いない。
嘘に関しても同じことが言えて、他人から聞いた嘘の吐き方や過去の自分の経験から言葉を編み出しているに過ぎない。
つまり僕が言いたいのは、「根本的な要素となる事象に精通していないと心を打つモノは作れない」ということ。騙せる嘘はその場で真面目な表情を作る方法とか、ありそうな理由をでっち上げる方法を知っていないと吐けないと思うし。
オンライン海外インターンの矛盾
ここでちょっと話を現実に戻したい。
今やることのないけど何かしなきゃっていう意識の大学生の間で流行っているのが「オンライン海外インターン」。実は僕もある会社にお世話になっている。
オンライン海外インターンって面白い言い回しだと思うけど、実は結構破綻してるんじゃないか?と考え始めた。
現地に行ったこともないのにその土地の生産性をあげるだの、商品のマーケティングをするだの、現地のことについて記事を書くだの、いやどれも無理だろ。
今までずっとマーケティングをしてきて、日本の地元企業で実際に商品の品質向上や広告業務に携わったことがあります!
過去にその国に行ったことがあり、観光地や特産品について精通しています!
上記のような人たちには非常に有用だと思う。ただそんな学生は全体の5%もいないと思う(主観だけど)。
海外インターンに参加したい学生というのは、今まで大きな経験を持っていなかったからこれを機にたくさん新しいことを吸収したい!という層がメインだと思う。
しかし理想と実際の業務というのは結構乖離していて、見たこともない土地についてやったこともない業務をこなすのはまず無理。
たとえ大学でマーケティング論を専攻してきたり、論文をいくら丁寧に仕上げてきたとしても、実際の業務は段違いに難しい。本来ならば現地に赴いて1から上司に教わり数週間から数ヶ月かけて徐々に慣れていくことが一般的だと思う。
今のオンラインインターンは、いきなり記事の執筆やマーケティング、商品クオリティの向上などを求められる。当然無理。
無理無理ばっか連呼しててなんだコイツ、やる気も意欲もないダメ人間か?と思ったかもしれない(まあ確かにその節は大いにあるけれども)。
いや、これは僕だけでなく誰しも無理。小学生がいきなり因数分解できるかって言ったら絶対できないだろ。
それぐらい無理。しかしそれをろくな説明もなくいきなりやらせるようなのが、大抵のオンラインインターンなのではないだろうか。事実ドロップアウトした人間を多数見てきた。
僕が今現在もすがりついているのは、これしか自分を変える道がないから。なんとか食らいつこうとはしているけれど、上記の原因から非常に難しい。
参加している学生は比較的有能な人間だと思うので、1から説明してくれればきっとできるようにはなるんだよ。しかしそれには圧倒的に経験値が足りない。
それを補うために現地に赴いて教えを請いつつどんな気候なのか、市場はどうなのか、何が現実的な問題なのか等学ぶことが重要なのに、それをすっ飛ばしていきなり因数分解させるのがオンラインインターンなわけ。
もちろん中にはちゃんと説明もしてくれた上で、徐々にステップアップを目指して段階を踏んだインターンを用意してくれている場所もあると思う。ただそういったところは少ないんじゃないかな。いきなりの状況変化で開催する会社側が付いていけていない印象が強い。その結果参加する学生もかなり厳しい局面に立たされているのだと思う。
さいごに
ちょっと愚痴っぽい記事になってしまったかもしれない。
もちろん参加すること自体は全く悪いことではないし、業務の一端に触れられるというのは間違いではない。
ただ同じようにオンライン海外インターンの矛盾に苦しんでいる人は結構多いんじゃないかと思っている。
ぜひ他の人の現状も聞いてみたい。
それではまた!